河内さんの6年ぶりの新作個展である。少年時代東京大空襲をくぐり抜け、戦後の群馬でデザイン畑を開拓し、定年後学び直して再生を図った。常に真摯に生き、新鮮な作品を生み続ける河内さんは、見習いたい人生の師だ。
今度の作品は、最愛の伴侶を失った悲しみの底から、日々の祈りのように描き続けられた。色鉛筆を無心に動かし続ける営みが、これまでの人生の集積となり、輝く色彩のハーモニーを奏でている。その音色に、静かに耳を傾けたい。
染谷 滋（元 群馬県立近代美術館学芸員）
河内世紀一 略歴
1940 東京都生まれ
1964 武蔵野美術学校（美術教員養成科）卒業
1998～2002 放送大学（人間の探求専攻）卒業
2002～2004 筑波大学大学院芸術研究科（総合造形分野）修了
作品発表
1976～1979 「ぐんまアートセンター」に参画、毎年個展
1995・1997・1999 個展・高崎シティギャラリー
2004・2009 個展・登録有形文化財旧花輪小学校記念館（旧勢多郡東村、現みどり市）
2005・2009・2012 個展・ノイエス朝日（前橋）
2016・2017 グループ展「楕円展」・ノイエス朝日（前橋）
2017 個展「円のディスクール」・広瀬川美術館
2018 個展・ノイエス朝日（前橋）
