中島洋一展に寄せて
画面上にうねる様々な物体、歪められた人体、激しい筆致とせめぎ合う色彩…。
中島さんの作品には、いつも葛藤がつきまとっている。
自宅のアトリエで作品に向かう時、
絵具を溶く時間も惜しい、と中島さんは語る。
次々に溢れる思惑や苦悩を描かずにはいられないのだ。
のっぴきならない衝動に駆られ、絵筆を握る。
長年勤められた美術教師を退職されてから、
これまで闇が支配していた画面に明るい色彩が加わるようになった。
感情のおもむくまま画面に残された絵筆の痕跡は生々しく、
色彩を伴った形態にはむきだしの生命感が宿っている。
生きること―それ自体がなんという葛藤と混沌に満ちていることか。
中島さんの作品の前に立つとき、そんなことを思わずにはいられない。
富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館
肥留川 裕子
残暑厳しき折、恐縮ですがご案内申し上げます。
昨年10月、富岡市立妙義ふるさと美術館での個展以来、描き進めた50数点を展示いたします。
ご指導の程、よろしくお願いいたします。
中島洋一
中島洋一