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EXHIBITION | 展覧会

楕円展

2016年3月3日(木)~9日(水)
10:00-17:30(最終日は17:00終了)
ノイエス朝日 スペース1・2

楕円展

2013 年の暮れから、ノイエスに集う作家の何人かが声を掛け合って「楕円の会」という研究会を発足させた。会名は、ケプラーの第1 法則「惑星は太陽を一つの焦点とする楕円軌道を描く」に由来する。
科学の歴史においては、地動説を唱えたコペルニクスよりも、完全性と中心性の象徴である天体の円軌道を否定したケプラーの法則にこそ、近代科学への革命的革新性があるとされている。実際、第3 法則までを数式化すれば、ニュートンの万有引力の法則は自然に導き出される。
『復興期の精神』で戦後の言論界に衝撃を与えた花田清輝は、その「楕円幻想」の中で「惑星の歩く道は楕円だが、檻のなかの猛獣の歩く道も楕円であり、今日、我々の歩く道もまた、楕円であった」と述べた。花田の中に、戦前と戦後の二つの焦点が交錯したことは想像に難くない。
現代の我々に、もはや中心が見つからないのは覚悟の上だ。ならばせめて拠り所とすべき二つの焦点くらいは見定めたい。その焦点に紐をかける事さえできれば、惑星並に見事な楕円軌道を描いて見せるだろう。

染谷 滋

 

イベント情報

「作家は語る」

開催日:2016年3月6日(日)
時 間:15:00~
入場料:無料

 

 

EXHIBITOR | 出展者のご紹介

楕円の会

―― いまや われわれは、人間的環境全体を藝術作品として
    配置する可能性に気づいている ――

M・マクルーハン

 

今日、創作家の主題とは何か。
複雑多様な情報社会ではイメージそのものが現実の美意識の
変革を突きつけている。
現実性は、仮想現実の餌食となっている。
コンピューター、インターネットの電子メディアによりリアリティが
現実から追放されてしまっている。
注意力が拡散・分散され、たえず更新される現在の
―― 創作とは発見でなければならない
―― 創作することは出来事を発見創造することだ
全生活の偶然を危険にさらす。
作品は、オリジナルなテキストであり、ひとつのオブジェであり、
心の感覚の挑戦的なアレゴリーでなければならない。
記号でなければならない。
作家は、めまいをもたらさなくてはならない。
アーティストはイメージの沈黙を、大衆の沈黙を呼び覚まし出現させ
なければならない。
オリジナリティを取りかえさなければならない。
 ここに私たちは、ひとつの選択をする。
創作とは還元不能な現実を提案する行為だ。
詩的な存在の生成変化に満ちた作品(テキスト)を発表する。

 

2016年3月

稲葉 宇香    染谷  滋
河内世紀一    藤森カツジ
小林  正    真下 京子
酒井 重良    茂木 康一
         住谷 夢幻

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