「白のマチェールに見えてくるもの」
人の顔を描く。絵の具を塗ったり、押しつけて置いたり、削ったりして、顔のかたちを探している。でも石ころや踏みつぶされた空カンのように見えてくることもある。それをさらに手を入れるとまた人の顔に戻ったりする。そんな風に生命のこちらとあちらを行ったり来たりしているうちに、一枚の絵の仕上げに向かって方向が決まるのである。
たとえて言えば、私の絵は、私自身を探した果ての迷いとおののきの堆積である。
白の光は心のうちから放たれた色と形。白の絵肌はいまだ戸惑う塗り重ねた心のうちの影。そんな気配が白のマチェールに見えてくる。
福島 保典
会期:2011年6月11日(土)~19日(日)
午前9:30~午後5:00
会場:ノイエス朝日 スペース1・2
■略歴
1950 群馬県高崎市生まれ
1979-96 創元展(創元会次賞、準会員賞、会員新人賞、会員賞、安田火災美術財団奨励賞、文部大臣奨励賞)
1989 東京セントラル油絵大賞展(東京セントラル美術館)
1990-91 安井賞展(セゾン美術館)、日仏現代美術展(パリ、グランパレ美術館)
1991 安田火災美術財団奨励賞新作秀作賞(東郷青児美術館)
1991-94個展(阿久津画廊)/1994昭和会展(日動画廊)/1997個展(煥乎堂ギャラリィ)/2000個展(ギャラリー椿GT2、高崎高島屋)/2003個展(ギャラリー椿)/2004ニューギャラリーオープン記念展(ギャラリー椿)/2005個展(ギャラリー椿)/2005個展(高崎高島屋)
2007 Ring Ling Museum(フロリダ州)作品収蔵個展(中之沢美術館)、個展(ギャラリー椿)
2009 個展(You Hall)/2011個展(ギャラリー椿)
2011 個展(ノイエス朝日)