会期:2010年10月16日(土)~24日(日)
A.M.10:00~P.M.5:30(最終日はP.M.5:00まで)
会場:ノイエス朝日 スペース1・2
今年は、岡部蒼風生誕100年にあたる。
岡部蒼風の作品に〈土龍昇天〉という作品がある。
尾島町に寄贈された書簡には「土龍はモグラのこと。本当の龍はサッソウと天に昇って翔けているのに土龍はいつも地中をもぐりあるいているだけで、頓と昇天しそうもない…だが彼が一生懸命土を掘っている中には〈自分の仕事に打ちこんでいるうちには〉或はふわりと天に昇る日に恵まれるかもしれない…」、そして「モグラはまた私自身をさしている」という内容である。
実作行為の中で、理論的究明が追究され、そして作家は内からの温かみある道理に真実があると…。
その真実は、作品集「岡部蒼風の軌跡」、「書論ノート」そして、今回展示する岡部蒼風の作品の中に見出すことが出来るだろう。
ノイエス朝日
1910(明治43)年
群馬県邑楽郡邑楽町生まれ。
本名、幸十郎 父、丈吉 母、てふ。
1928(昭和3)年
群馬師範学校卒業。
半田神来に師事。
1932(昭和7)年
群馬師範専攻科で国沢博先生に哲学・心理学・芸術論を学ぶ。
上毛美術展書道部最高賞受賞。
1933(昭和8)年
群馬師範学校専攻科卒業。
1934(昭和9)年
半田神来の推めにより比田井天来に師事。
書学院時代(中国、日本の書の古典、書論、書道鑑識学、文字学など学ぶ)。
1936(昭和11)年
書道芸術社同人となり、書の新しい芸術運動を(上田柔鳩他)進める。
1940(昭和15)年
大日本書道院展推薦金賞受賞、その後書道芸術院展等に出品する。
1948(昭和23)年
戦後、第1回書道芸術院展、審査員。
1952(昭和27)年
書道芸術院を離脱し、書の革新運動を進めるため同志と「草人社」(池田水城他)結成。
毎日書道展、大日本書道院展、各審査員。
1955(昭和30)年
現代日本の書・墨の芸術展(国立近代美術館・欧州主要都市巡回)出品。
1957(昭和32)年
日本前衛書作家協会創立、委員。
1958(昭和33)年
「抽象絵画の展開」展(国立近代美術館)出品。
1961(昭和36)年
草人社を離脱。既成書壇との訣別を宣言し、新人の研修機関「グループ蒼狼」設立。
日本カリグラフィ展(ダルムシュタット市主催)出品。
1962(昭和37)年
「現代日本の書・意味と記号」展(西ドイツ、ダルムシュタット、ベルリン)出品。
1964(昭和39)年
現代日本美術二十人展(ワシントン・コーコラン美術館)蒼風、森田子龍、比田井南谷他出品。ニューヨーク市ミーチュ画廊で個展開催。
1966(昭和41)年
グループ「蒼狼」を「蒼狼社」として改組、会長となる。
第1回蒼狼社書作展(新宿、ギャルリ・アルカンシェル)以後、埼玉会館(浦和)、銀座松坂屋、銀座ふそうギャラリーを中心に蒼狼社展開催、1991年解散まで30年間、新しい書の芸術運動展開。
1967(昭和42)年
日本現代書展(東京タイムズ社主催)―蒼狼社、墨人会、草人社の合同展として発足、1974年の第8回展後解散。1976(昭和51)年
「蒼狼社」会長を後進に譲り名誉会長となる。
日本現代書展(西ドイツ・オッヘンバッハ市)出品渡独。
1984(昭和59)年
沙鶏会設立。第1回展(前橋・煥乎堂)、書・絵画・陶芸・彫刻・版画・工芸等各作家の交流の場として発足。また新人作家の育成を目ざす(平成14年まで毎年19回展)。
1986(昭和61)年
今日の日本書道と絵画展(チェコスロバキヤ文化省・プラハ国立美術館主催)出品。
1988(昭和63)年
前橋・煥乎堂にて個展。
1991(平成3)年
岡部蒼風書論ノート刊行、記念書展(前橋煥乎堂出版)。
蒼狼社30周年記念展(東京芸術劇場)。
30周年をもって「蒼狼社」解散。
1994(平成6)年
岡部蒼風・小暮青風・武士桑風・三風書展(前橋・煥乎堂)。
2000(平成12)年
卒寿記念・蒼狼同友書展(埼玉会館)。
2001(平成13)年
9月21日午後8時02分、肺炎のため熊谷総合病院にて死去。
雅号、蒼風 別号、黙虎、白鹿洞、白鹿、白鹿寺蒼風等、
2004(平成16)年
岡部蒼風遺作展開催(ノイエス朝日)。
2008(平成20)年
岡部蒼風とその仲間たち展(ノイエス朝日)。