会期:2009年5月9日(土)~17日(日)
AM10:00~PM6:00(最終日はPM5:00終了)
会場:ノイエス朝日 スペース1・2
「版」・反・汎思考 酒井重良
「版」は、いつも発見される。
たとえば、堆積した落ち葉の上に
薄く薄く降りかかる粉雪。
「版」とは、同化する心。
あるいは、街の駐車場で見た
ひび割れを補修するアスファルトの形。
意識の中に、それは意味を求めて刻印される。
「版」とは、問う心。
あるいはまた、ひげを剃るために
毎日覗く鏡。
透明な素材の上にうごめく影。
そこにいるのは「私」ではなく、
眼差しを持った「版」。
しかし、手はいつも空虚をなぞる。
向こうとこちらに
冷たく拒絶された距離の前での
欲望は「版」?
果たして
手に入れたいのは何なのか?
「版」。版とは…、
意識と外界との間に突っ立っている
わけのわからない私の「今」。
■酒井重良
1948年 群馬県館林市に生まれる
1970年 多摩美術大学(美術学部絵画科油画専攻)
群馬県美術会会員 群馬県版画家協会会員 美術集団レアリスト会員
日本美術家連盟会員 日本版画家協会準会員 日本画院同人