会期:2009年3月21日(土)~3月29日(日)
AM10:00~PM5:00
場所:ノイエス朝日 スペース1・2
画歴をしるして思い出すこと 井上 雅子
私は東京で生まれ幼少時を東京で過したが、高等女学校の時に満州の新京で終戦を迎え、一家は抑留された。母は心労のあまり病を患い回復する事なく他界した。その後父の職業(医師)の関係で北京に移送された。そこで私はフランス系の聖心女学院に入学した。この学校では一般科目の他ピアノと美術を選択した。程なく私は美術の特待生に選ばれ授業料を免除された。美術コースでは優れた佛人画家よりデッサン・水彩画・パステル等を使った作画の基礎及び宗教画の模写等を学んだ。昭和28年に帰国、父の医院を手伝うかたわら国立音大に入学し、ピアノを学んだ。その後縁あり音大を中退して前橋に来た。昭和36年12月より主人の研究出張に同伴してオハイオ州・クリーブランド市に2年半滞在した。その間私は面接を受けてミュージックスクールにてピアノのレッスンを受ける事が出来た。中古ピアノを購入し、アパートで練習をした事が懐かしく思い出される。アメリカから帰国してからは、自宅で生徒にピアノを教えるかたわらつねづね考えていた絵の勉強を再開し、川隅路之助先生に師事した。先生の没後は東京に出て日野耕之祐先生に師事する機会に恵まれ現在に至っている。主人は在職中も定年後も数多く海外の学会に出掛けたので、私はその都度同行して風景のスケッチをものにする事が出来、今の制作活動に非常に役立っている。
■画歴
日洋会会員
群馬美術家連盟会員
上野の森美術館大賞展入選五回
日洋展受賞二回
海外取材十数回
師 日野耕之祐先生