戸田市川岸にある新井狼子の六文庵に入った瞬間、壁にかかる異様な仮面の数々、無造作に置かれた壺や絵画、そして紙の束や筆。その中に埋まるように、やさしく微笑みかけている顔の中に光る眼差し、そこに新井狼子の世界の広がりを感じた。 「猛烈に素人であれ」岡本太郎の言葉に出会い、その精神を「蒼き狼」の姿に重ね「狼子」と名乗るようになり、「どうせ、俺はもうすぐ死ぬ」という口癖から三途の川の渡し賃六文銭から仕事場を「六文庵」と名づけた。 表現の原点を見つめ続け、生きる意味を問い続け、河童に自らを重ね「弱さを背負った存在」として、得体の知れぬ自分自身を表現し続ける新井狼子の書の世界は生きざまそのものであり、私たちに、その生きざまの原点をみせつけてくれる。
|
●ギャラリートーク
日時 | 2004年1月25日(日) PM2:00~ 入場無料 |
---|---|
会場 | ノイエス朝日 スペース1・2 前橋市元総社町67番地 TEL:027-255-3434 FAX:027-255-3435 |
書歴 | ||
1949年 | 抽象絵画に関心を持ち、表現活動に入る。 | |
1952年 | 前衛書道活動開始。 | |
1955年 | 以降、各書集団(草人社、蒼狼社、 関西関東連立展)を経て現在書集団無限会を主催。 |
|
世界がほろびる日 |