1950年代を切り開いた人形たち ’50年代、輝く希望と笑いの舞台をつくり 日本中の子どもたちに愛されながら、 劇団 『人形座』 あれから半世紀、埋もれた創造と活動のさまざまを掘り起こし、 |
人形座 再発見の会 |
「人形座」(1952-63)は戦後人形劇の歴史に画期的な創造活動を展開しました。
日本、朝鮮、中国、チェコ、ロシアの民話を題材に活躍した人形たち30体、公園記録、旅の絵日記などの貴重な資料を公開展示いたします。
この機械に是非ご覧ください。
会期 | 2004年9月18日(土)~26日(日) AM10:00~PM6:00 |
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会場 | ノイエス朝日 スペース1・2 前橋市元総社町67番地 TEL:027-255-3434 FAX:027-255-3435 |
人形座再発見の会
加藤 暁子 | 小室 一郎 | 田端 精一 | 保坂 純子 |
石井 マリ子 | 井村 淳 | 手島 修三 | 西本 恭子 |
協力
井村淳と仲間たち | 稲継 由美子 | 西本 太郎 | 山本 真由美 |
東京都世田谷区北沢4-7-4 TEL:03-3465-3584(井村方)
http://taro.readymade.jp/ningyouza/
●群馬と人形座
群馬は、入形座にとっても、ぼくにとっても懐かしい士地である。11年にわたる人形座の全国巡演の活動は1952年、前橋市と佐波郡19日間の公演から始まった。この旅の小さな観客たちは今でも忘れがたい。
ブチヌキ教室の床にヒザを揃え、キチンと正座して人形劇に見入る子どもたち。舞台で暴れる乱暴者の狼を、両手に握った下駄のスキマからドキドキしながら見守る最前列の女の子。狼をなぐって弱い仔豚を助けようと立ち上がり興奮して舞台に押しかける子どもたち。
この時に経験した人形劇と子どもとの関わりの強さの衝撃が、ぼくたちの創作のエネルギーの源泉となり、以後、新しい作品が生まれる度に、何日か、何十日か、人形座は群馬にお邪魔することになる。
もうひとつの大事な接点は、「島小教育」と呼ばれた目覚ましい教育運動の現場からの触発である。佐波郡境町の島小学校をはじめ「子どもの創造力を活かす授業」を学校教育の中心に据え、より優れた授業のあり方に日夜心を砕く先生方や、高い集中力を身につけた子どもたちがいた。その視線に身をさらされての上演は恐ろしくもあったが、そこで貰ったさまざまな好評と批判に、ぼくらはいたく啓発された。
よく準備された授業、主体的な学習、集団との関わり、そこから創られる人間の豊かな成長。
「子どもの感動が未来をつくる」という、中期以降の人形座の中心テーマは、おそらく群馬公演の体験と交流から生まれたものだ。
今回、人形座の入形たちを改めて世に問う試みの第一回を、群馬の地前橋の「ノイエス朝日」で持てることになって、うれしくなつかしいと同時に、また恐ろしく、ドキドキしている次第である。
井村 淳